前回のグリップ交換の道具編に続いて今回は作業編。
グリップ交換方法をまとめました。
慣れてしまえば簡単な作業ですのでぜひお試しください。
まずは、全体の工程から。
- 古いグリップをカッターで切る
- 古いグリップを剥がしとる
- シャフトに残った下巻テープと糊残りをきれいに掃除する
- 下巻テープを貼る
- 溶剤で下巻テープとグリップを濡らす
- グリップを差し込む
- グリップの微調整
- 糊残りをとる
以上の工程になります。
ひとつずつ見ていきます。
古いグリップをカッターで切る
グリップカッターの刃先を古いグリップの先端から差し込み、グリップに切り込みを入れます。
写真は撮影のためにバイスに固定していますが、シャフトを手に持って簡単に作業できます。
この時シャフトにキズを付けてしまうと破損の恐れがあるので、刃がシャフトに触れないよう刃を入れます。
カッターをグリップエンド側へグリグリと押していきながらグリップをカットします。
古いグリップ剥がしとる
古いグリップが切れたら写真のように剥がしとります。
グリップをめくるようにし、ある程度までとれたら一気にベリッと剝ぎ取ります。
シャフトに残った下巻テープと糊残りをきれいに掃除する
グリップを剥がすとシャフトには下巻テープが残るので、これもキレイに剥がします。
また、糊残りもキレイに取り去り、跡が残らないようにします。
下巻テープが剥がしにくかったり糊残りが取りづらい場合は、ドライヤーで温めるかホワイトガソリンを湿らせたウェスで拭き取ります。
糊残りがある状態で新しいグリップを入れると、糊残りが変な凹凸となって現れてきて違和感のもとになるので、確実にきれいな状態にします。
おそらくこの作業が一番面倒だと思いますが、逆を言えばあとは楽な作業なので頑張りましょう。
下巻テープを貼る
シャフトがキレイになったら、下巻テープを貼ります。
まず、上の写真のようにシャフトにグリップをあてて下巻テープを貼る場所を確認します。
グリップの先端より1cmほど内側にマジックなどで印を付けておくとわかりやすいです。
下巻テープはグリップの長さいっぱいに貼ると下巻テープが見える恐れがあるので、下巻テープはグリップの長さより少し短めに貼ります。
この時にグリップの先端の位置にも印を付けておくと、グリップを差し込むときに伸ばし過ぎたり縮んでしまったりすることなく、適性の長さがわかるようになります。
一般的な下巻テープの貼り方は大きく2種類あり、らせん巻きといって上の写真のようにらせん状に巻く方法と、縦巻きといって下巻テープをグリップ先端側から貼りシャフトのエンドを挟むようにして反対側へ折り返す方法があります。
作業は縦巻きの方がシャフトサンドイッチする形でビーっと貼るだけなので圧倒的に簡単ですが、テープのない部分ができやすい欠点があります。
らせん巻きは、少し慣れが必要ですが全体を均一に巻けるので太さも一定になりやすいです。
どちらの方法でも全く問題ないので、好きな方でやってみてください。
下巻テープを巻き終わったら剥離紙を剥がします。
ここで下巻テープを重ねて巻いたり左手部分だけ厚く巻くなどすると、好みに応じてグリップの太さを変えることができます。
らせん巻きの場合は、下巻テープを長めに残してシャフトの穴を塞ぐようにします。
縦巻きの場合は、下巻テープを折り返す時にシャフトの穴を塞ぐように折り返します。
シャフトの穴が開いたままだと、雨水などが侵入し腐食の原因になるので、しっかり塞ぎます。
穴を塞ぐために短い下巻テープで蓋をしてもよいです。
溶剤で下巻テープとグリップを濡らす
グリップを差し込みやすくするために下巻テープとグリップを溶剤で濡らします。
ここではホワイトガソリンを溶剤として使います。
この作業の前までにグリップの重さを量っておくと次回交換の際グリップ選びの参考になるのでおすすめです。
また、剥ぎ取ったグリップも測っておくと重量差もはっきりわかって良いですよ。
僕はここでシャフトをバイスに固定します。
下巻テープを溶剤で濡らしてからバイスに固定してもOKですが、溶剤で濡らしてからはスピード勝負なので少しでも時間を稼ぐために先に固定しています。
このバイスには挟む部分にゴムパーツが付いているのでシャフトをキズつけることなく挟めます。
次に溶剤をカップに少量入れます。
入れる量は、グリップに十分流しいれられるだけの量、グリップの1/3~半分程度の量がちょうど良いです。
多すぎてダメということはありませんが、溶剤がもったいないのでこのくらいが良いと思います。
ただ、逆に少なすぎるとグリップを差し込むのが大変になるのでケチってはダメです。
写真のようにグリップエンドの穴を指でふさいで、グリップ先端にじょうご(ロート)を差し込み、カップに注いだ溶剤を流しいれます。
グリップの穴はティーで塞いでもOKです。
じょうご(ロート)を外して、溶剤が漏れないようグリップ先端を押さえながらグリップ全体に溶剤が回るようグリップを振ります。
グリップに入れた溶剤を下巻テープにもかけます。
この時、液をカップで受けてあげると床が汚れません。
シャフトの下にトレーを置いて溶剤を受けてもよいです。
これで下巻テープの表面が溶けてグリップを差し込みやすくなります。
グリップを差し込む
ここからはスピード勝負です!
ホワイトガソリンでグリップと下巻テープを濡らしたら、グリップを差し込みます。
この時、写真のようにグリップ先端を少し潰して斜め下から差し込むとやりやすいです。
先端が入ったら躊躇することなく一気に差し込みます。(ティーは差し込む前に抜いてください)
ここで躊躇するとグリップが途中で止まってしまい、ねじれの原因になったり差し込むのが大変になります。
修正は差し込んだ後でもできるので、ブシュっと一気に差し込みましょう。
グリップは押すように差し込んで引っ張らないようにします。無理に引っ張って入れるとグリップが伸びてしまい本来の太さではなくなります。
グリップの微調整
グリップを差し込んだら最初にグリップを床にトントンとやって、シャフトがグリップエンドまでしっかり差し込まれていることを確認します。
グリップエンドの穴から下巻テープの見え具合でも確認できます。とにかく空間ができないようにしっかり差し込みます。
次に位置やねじれを修正します。
ホワイトガソリンの場合10分程度なら動かせるので慌てないでしっかり調整します。
グリップ挿入時に一気にできていれば、ねじれはほどんど発生しないと思います。
糊残りをとる
最後にグリップからはみ出た糊をホワイトガソリンを染み込ませたウェスで拭き取ります。
また、シャフトやグリップもペタペタしていると思うので一緒に拭き取ります。
終わったら最終チェックをして半日程度乾かします。
お疲れ様でした!作業終了です。
一晩たてば問題なく使えるようになるのでそれまでそっとしておきます。
まとめ
グリップ交換作業、いかがだったでしょうか。
こうやって文字にするとボリュームもあって難しそうに感じますが、実際やってみると大したことないのがわかると思います。
道具の準備ができていて、古い下巻テープが簡単に剥がせれば一本数分で終わる作業です。
ウッドとアイアンで13本あっても一時間から二時間程度でできると思います。
グリップ交換を自分でやると、クラブへの愛着も湧いてきますし、グリップへの理解も深まり様々なグリップを試してみたくなると思います。
グリップひとつでスイングや弾道も変わってくるので、どんどんグリップ交換して自分にピッタリのグリップを見つけてください。
あまりお勧めしませんが、グリップを再利用したい場合は、100円ショップで売っている化粧品用の注射器にホワイトガソリンを入れて、グリップに注射する方法でグリップを切ることなく抜くことができます。これだと小さな針穴をあけるだけで済みます。
ただ、うまくやらないとシャフトにキズを付けたり、グリップが避けてくることがあるので慎重に行ってください。(個人的には手間もかかるしリスクもあるのでおすすめしません)
では!