キャロウェイ・テーラーメイド・ピンが新作ドライバー発表
毎年この時期はゴルファーにとってある意味お祭りの季節。
大手各社が新作を発表するとあってファンは今年はどんなクラブになるのか気になるところです。
そこで今回はキャロウェイ・テーラーメイド・ピンの2025年新作ドライバーの傾向を超私的な視点でまとめてみました。
大まかなテクノロジーや性能などは公式やyoutubeでも豊富に出回っているのでここでは割愛します。
AIフェースが10倍に進化:キャロウェイELYTEドライバー
フェースの進化が止まらない!
ここ数年のキャロウェイはAIフェースが特徴になっていますが、今作はさらに進化してAI 10x フェースに。
打点ブレにあわせてフェース面のたわみが変化することで、弾道が適切になるよう補正してくれるというのが謳い文句。
今作はこの補正ポイントが前作の10倍の25000ポイントと大幅進化。
前作比10倍の弾道補正能力の高さが最大のキーポイント。
試打すると確かに補正能力が上がっているのがわかります。
前作では抑えきれなかった芯を大きく外した場合でも今作は耐えてくれる感じ。
前作でOBだったのが今作ではラフで耐えてくれるといった印象。
これだけでも進化を感じますが、特筆すべきなのはスピンの安定度。
フェースのどこに当たってもスピンが一定の範囲に収まるのです。
筆者の場合は2000回転台前半に収まりました。
つまりヒールヒットなど芯を大きく外しても縦距離が落ちにくく、弾道が安定することを意味しています。
曲がり幅が減って縦距離も安定するということは安心感につながります。
すると自信をもってスイングできるので、振り切ることができ飛距離アップにもつながります。
今作もプレイヤーや弾道傾向にあわせて4機種ラインナップされていますが、各モデル専用設計のAI 10x フェースが採用されていてそれぞれのレベルに見合った補正をかけてくれるようになっています。
低重心化?360°カーボン廃止(トリプルダイヤ除く)
前作、前々作と続いた360°カーボンはトリプルダイヤを除いて廃止になり、ソール面の金属エリアが復活しています。
おそらく360°カーボンよりも、ソールの金属部を増して重心の低下を狙った方が結果がよかったのではと想像します。
アスリート向けのトリプルダイヤは360°カーボン継続なのでスイングタイプによって住み分けが明確になりました。
エリート領域?
一般的にゴルフクラブは飛距離を求めると安定性に欠け、安定を求めると飛距離が出ないといわれていますが、今作ELYTEは飛びと安定を高次元で叶える領域、つまりエリート領域に達するクラブだそうです。
正直どこからエリートなのか境界がイマイチわかりませんが、「曲がり幅も減って縦距離も安定し初速もでて飛距離もでる」をエリート領域とするならば確かにそうなのかもしれません。
個人的には今作のカラーに使われている緑がEPICを彷彿とさせて、ついあの一撃を期待してしまうのですが、、、。あの一撃が出て安定するクラブがあったならそれこと本当のエリートかも知れません。
確かにブレないがブレた!:ピンG440シリーズ
もはや別物!?
飛びも安定、売れ行きも安定のピンから登場したのはG440シリーズ。
前作を超えないと次を発売しないと公言しているのは有名ですが、今作は誰が見ても超えているのがわかるくらい大きな進化を遂げています。
打感・打音が別物!
打った感触として一番驚いたのは打感。
ピン特有の硬いゴツっとした感じが無くなりボールがフェースに喰いつくのがわかるようになりました。
インパクトの時に一瞬フェースが沈んでグンって押し返すのが手に伝わってきます。
これまでと比べて明らかに打感が柔らかいです。
それに合わせるかのように打音も大幅に改善されて、もはや音だけでピンのクラブ使ってるとわかることはなくなりますね。
他メーカーの打音と遜色がなくなり、甲高い金属音もブシュっとした鈍い音も消え、低音で切れの良い締まった打音になりました。
ソール後方の鈍重さが減少
ピンと言えばソール後方に大きなウェイトを付けて慣性モーメントを高めていますが、個人的にはこの大きなウェイトが振りにくさを感じてしまい好みではありませんでした。
ですが、今作は相変わらず後方に大きなウェイトがあるにもかかわらず、鈍重感が抑えられ振りにくさを感じることが減りました。(と言っても個人的には振りにくいですが)
そのためヘッドの操作性も若干ですが上がった気がします。
ピンの中では間違いなく低スピンで一番飛ぶ
ピンのクラブはスピンが多いといわれていますが、今作はかなりの低スピンクラブに生まれ変わりました。
これまで3000台だったスピン量が何球打っても2000回転台に収まり、かなりの低スピン化が図られたのがよくわかります。
そのため弾道も前へ前へと強い球になり、飛距離もこれまでのピンのクラブと比較して10y近く伸びました。
高慣性モーメントも相まってフェースの向いた方向に真っすぐねじれることなく飛んで行きます。
ピンのドライバーを長く使っている人ほどこの違いに驚くと思います。
高慣性モーメント好きなら買いかも?
G440の進化の度合いは今年の新作で一番大きいかもしれません。
高い慣性モーメントが生む安定はそのままに、打感・打音、飛距離性能が誰の目にもわかるほど大幅に向上しました。
高慣性モーメントヘッドの特有の挙動が気にならない人は間違いなく買いだと思います。
ただでさえ売れ続けているピンの弱点が克服されて他メーカーに引けを取らない飛距離性能を手にしたので、その恩恵を受ける人はかなり多いと思います。
ただひとつ気になるのは、ヘッド内部にゴミが入らないか心配なことでしょうか。
2代目やさしい説は本当だった!:テーラーメイドQi35シリーズ
見た目も性能も圧勝か?
キャロウェイと並んで毎年新作を排出するテーラーメイドから今年発表された新作はQi35。
名前の通り前作Qiを冠した2代目モデル。
ですが、前作と同じなのはQiという冠だけと思わせるほど見た目もテクノロジーも変わっています。
今作は低重心化がカギでフェース面上の重心点を下げることで低スピン化を図り、重心を低く深くすることで高打ち出しを実現しています。
こうやって文字にすると「いつも言っていることだよね」となりますが、今作はその度合いが半端なく高い次元で実現されています。
所有感をくすぐるデザイン
昨年はコブラのダークスピードが断トツのカッコよさでバカ売れしたそうですが、今年はテーラーメイドが来るかもしれません。
いわゆるジャケ買いなら今年は間違いなくテーラーメイドですね。
グレーのヘッドは好みがわれそうですが、実物は安っぽいグレーということはなく少し落ち着いたグレーで好印象でした。
フェース周辺やソール部分の金属メッキも高級感があります。
また、LSには高級車のマークのようなデザインが施されているなど、ウェイトギミックと相まってメカニカルな感じが所有欲をくすぐります。
これが1年で価値が下がってしまうと思うととても残念なくらいです。
ウェイトの入れ替えで性能が大きく変化
テーラーメイドは今までウェイト固定かスライドウェイトを採用したモデルしかありませんでしたが、今作では複数のウェイトを使いそれぞれ入れ替え可能なシステムを採用してきました。
コブラなどでは以前から採用されていたよくある調整機能ですが、もしかしたらテーラーメイドとしては初採用かもしれません。
コアモデルと呼ばれるノーマルのQi35はソールの前後にウェイトが配置されて入れ替え可能に。Qi35LSは3個のウェイトが採用されそれぞれ入れ替え可能になっています。
このウェイトを入れ替えることで弾道が変化し高弾道であったり低く強い弾道などプレイヤーにあわせて調整が可能になりました。
さらに別売でウェイトも発売されるので、自分に合う重さに調整できるようになっています。
ウェイトは公式でも1800円程度とのことなので、手軽に交換調整できます。
実際コアモデルのウェイトを前後入れ替えてフェース側を重くすると、やさしく感じるヘッドの大きさからは想像できないくらい強い弾道になり、大きなLSといった感じになります。
LSは後ろのウェイトをフェーストゥ側と入れ替えると、フェース面上の重心点がフェースセンターと同じか少し下にくるということで強烈な低スピン強弾道の球がでます。
この変化の度合いは誰でも感じられるほど大きいです。
思いのほかやさしい
テーラーメイドには二代目やさしい説がありますが、今作もそれは継承されています。
特にLSのやさしさに驚かされました。
前作Qi10LSはとにかく捕まらなくて右にしか打てず、まったく相手にしてもらえませんでしたが、今作は初球からほんのりつかまり、右へ滑ることもありませんでした。
弾道も想像以上に上がり、低スピンと相まって飛距離もかなりでました。
今回取り上げた3機種の中で一番の飛距離性能と低スピン性能を発揮してくれました。
コアモデルがMAXよりの大きさになってしまったので、大きなヘッドが苦手なら一度試してみる価値はあると思います。
純正シャフトも見直されて60Sが投入されました。
このシャフトが純正シャフトのわりにかなりしっかりしていて、クセもないのでこのまま使える人も多いと思います。
カスタムシャフトも高くなっているのでお財布にもやさしいです。